海外旅行先でテロから逃れるための心構え
近年では世界中でテロが起きています。
2015年11月にパリで起きた同時多発テロも記憶にある方もいるのではないでしょうか。
あの“9.11”直後は「テロは中東の国々でのみ起きる」と思われていましたが、今では世界的に広がっているのです。
ここでは、海外旅行中にテロ事件の巻き添えにならないための心構えをご紹介します。
日本人でも例外ではないという意識を持つ
“他国の出来事だから日本人は標的にはならない”と思ってはいけません。
2015年に後藤健二さんが殺害され、その際に過激派組織IS(イスラミックステート)が日本人をターゲットにすると表明したことで、国際テロリズムに詳しい板橋功(公共政策調査会研究室長)は「世界中のテロリストたちが日本人を意識していると考えたほうがいい」と話しています。
アジア各国にもISに忠誠を誓っていたり、支持をしている過激派組織が活動している国がいくつもあります。
過激派は、エジプト・リビア・スーダン・チュニジアといったアフリカに広がっているだけでなく、インドや日本人が訪れることの多いフィリピンやインドネシアにも存在しています。
※過激派組織ISと連帯を表明した過激派がいる国
エジプト・スーダン・リビア・チュニジア・イエメン・サウジアラビア・イラク・レバノン・シリア・アフガニスタン・パキスタン・インド・インドネシア・フィリピン
欧米系エアラインは避ける
上記に挙げられた国以外でも問題があります。
日本人以上に欧米人は狙われているため、ロンドンやパリ、ニューヨークなどの大都市も危険です。
2014年にはカナダで起きた議会襲撃事件や、オーストラリア・シドニーのカフェ立てこもり事件はイスラム国に触発された人間が起こしたものでした。
また2015年1月にフランスで起きたシャルリー・エブド襲撃事件の犯人は、イスラム過激派を挑発するような風刺を行った週刊誌「シャルリー・エブド」本社を襲撃するために、過激派組織ISで軍事的な訓練を受け、周到に計画をしていたと言われています。
さらにインドネシアやバリ島で起きた爆弾テロは欧米人が大勢集まる観光地で起きていることから、欧米系ホテルや欧米人の集まる観光地、欧米系のエアラインなども避けたほうがよいでしょう。
注意しなければいけない場所
先に欧米系エアラインは避けるべきと紹介しましたが、外国ではどのような場所に注意を払うべきなのでしょうか?
・駅
人が多いほどテロの対象となる可能性が高くなります。
また、テロの場所となるだけでなく、“テロリストがその場にいる可能性も高くなる”ということを理解しておきましょう。
・空港
“9.11”以降、空港の警備や検査は厳格なものになっていますが、それでも危険性は残ります。
駅と同様に人ごみは避けることを意識しましょう。
・ショッピングモールや観光名所など
ショッピングや観光する際にも注意しましょう。
また先にも紹介したように、“多くの観光客が利用する店やレストランがある”などの場合はテロに遭う確率が高いと考えられます。
・大使館や宗教施設など国や宗教がらみの施設
国によっては、過激派組織ISを敵視していることもあります。
その国の大使館はテロの標的となる可能性があります。
また、教会やモスクなどの宗教施設はできるだけ行かないほうが良いかもしれません。
テロ事件の巻き添えを防ぐ心構え
1.人が多い場所は避ける
人が多く集まる場所は犯人にとって隠れやすく、また狙いやすい場所でもあります。多国籍の人が多く集まる場所は要注意です。
2.周囲の音を気にする
テロは同時多発的に起こることがあります。
また犯人は1人であるとも限りません。爆発音や銃声、人の叫び声やサイレンなど、耳に入る音に敏感になり、不審な音があったらすぐにその場から離れるようにしましょう。
3.建物の非常口を常に確認する
テロは数回の爆発が起こることがあります。
建物内にいる場合は非常口を常に把握していることで、1度目の爆発やきっかけにいち早く逃げ出すことができます。
4.深夜の外出を避ける
夜10時以降の外出は可能な限り控えましょう。
不慣れな土地で夜遅くに出歩くことは自殺行為であるという認識を持ちましょう。
5.周囲に自分の行き先を伝え、緊急連絡先を把握する
家族や友人に自分の要る場所を知らせておくこと、また警察や救急車などの緊急時の連絡先を調べておきましょう。
スマホなどでショートカットを作成しておくと便利です。
6.政治的・宗教的主張や議論を避ける
最近は日本語も分かる外国人も増えてきました。
日本語で宗教や国を批判するようなことは避けるようにしましょう。
2016年では日本人が巻き添えになったり、狙われたというテロや事件はあまり耳にしていません。
ですが、海外旅行に危険はないと言い切れないのも事実です。
海外旅行に行く際は周囲をよく見聞きし、銃声や爆発音、不信人物を察知した場合は一刻も早く安全な場所に逃げ出せるようにしましょう。