日本独特!? ホールインワン祝儀とゴルファー保険
ゴルフは趣味から接待まで、幅広い理由で多くの人にプレーされています。
そしてゴルフをされている方の中には、ホールインワンを経験されている方もいるのではないでしょうか。
プレーヤーにとって誇らしい成績ではありますが、ホールインワンは必ずしもプレーヤーに取って嬉しいことばかりではありません。
今回はゴルフを始めたばかりの皆様に、ホールインワンにまつわる日本独特の慣習をご紹介します。
ホールインワン祝儀とゴルファー保険
ホールインしたこっちが奢ることに!?
A「スゥーッ……それ!」
先輩に連れられてゴルフにやってきたAさんは、ゴルフを始めてまだ数ヵ月。
しかし、元来の真面目な性格と凝り性な性格から、みるみる力をつけていきました。
今では先輩やお客さんが楽しんでもらえるようなゴルフもできて、接待などでも重宝される存在です。
ただし、今日はプライベートです。
気心の知れた先輩と、キャディさんもつけずに身内だけでゴルフを楽しんでいます。
なのでAさんはのびのびとプレーすることができました。
そのこともあってか、今日はナイスショットが続きます。
そしてそんな時、本日何度目かになるナイスショットが、ホールに向かって真っ直ぐ飛んで行きました。
B「お。飛んだな」
C「風向きもいいし。あれ、入るんじゃね?」
まさかの、生まれて始めてのホールイン・ワン。
Aさんの興奮は止みません。先輩達も祝ってくれます。
しかし、先輩の放った一言がAさんを正気に戻しました。
B「よし。じゃぁ今日はAおごりな」
A「ぇえ!?」
まさかの言葉にAは思わず先輩2人を見返します。
どちらもニコニコ笑っているだけで、真意はわかりません。
果たして本気か、それともただの冗談なのでしょうか。
いつ頃から定着した慣習なのか
ホールインワンを達成した人が周りに祝儀をあげたり、奢ってあげたりする慣習は日本だけのものです。
戦前のころからホールインワンをすると、親しい友人にホールインワンをしたゴルフ場の名前や、ホールインワンをした日時を染め抜いた手ぬぐいを贈るという慣習がありました。
そして今のような「ホールインワン祝儀」の形で広まったのは1950年代からと言われており、そのピークは90年代後半だったと言われています。
2000年代に入ってからはこのようなホールインワン祝儀の慣習はめっきりと減っていきました。
しかし、会社の接待などで年配の方とゴルフをする場合は、未だにこの習慣が残っているかもしれません。
ホールインワン祝儀の特徴
「ホールインワン祝儀」では、以下のようなことが行われます。
- キャディにチップを払う
- コースへの記念植樹を行う
- コンペの場合、参加者に記念品を贈呈する
- 参加者とともに祝宴を開く
この際に発生する経費は、30万程度とも100万以上とも言われています。
バブルの頃ならまだしも、いま行うとしたらプレーヤーにとってかなりの痛手です。
せっかく達成したホールインワンを、心の底から喜べないプレーヤーもでてくるかもしれません。
ホールインワン保険の登場
このような慣習が根付いたことを背景に、ゴルフ保険もその対応をしようという動きが現れました。
1982年に登場した「ゴルファー保険」のなかに、ホールインワンによる出費にも保険金が支払われるというサービスが含まれたのです。
ただし、ホールインワン保険を申請するには、キャディや同伴者以外の第三者の目撃に基づく署名または記名捺印された証明書、もしくは「日時」「場所」「ゴルファーの個別確認」等が可能なビデオ映像必要です。
というのも、ホールインワンをしたと言うのは保険会社に対して自己申告することになります。
そのため、詐欺などを行われる可能性が非常に高いのです。
最近ではセルフプレーなどの際にキャディさんを連れない方も増えています。
そのような場合はホールインワンを達成しても保険が降りない可能性があることを覚えておきましょう。
ちなみ先ほどご紹介したAさんの場合は、キャディさんが居ないので保険が降りることは難しいことになります。
皆さんがプレーをするときは、ぜひキャディさんに同伴してもらいましょう。