事故の相手が無免許だった!? 補償はどうなる?
無免許運転で事故を起こした場合、無免許運転をした本人が自動車保険に加入していることはまず考えられないため、損害を補償する保険金が支払われることはありません。
では、事故が起きた際に相手が無免許運転だった場合、損害はどのように補償されるのでしょうか?
無免許運転とは
無免許運転と免許不携帯を混同してしまう方がいますが、実際に2つの言葉を並べるとこの違いが分かりやすいと思います。
免許不携帯は、免許を取得しておりそれを携帯せずに運転したという行為のこと。
これは、“反則行為”に該当し3000円の罰則金が発生します。
一方で、無免許運転には次の4種類があります。
・純無免許運転
一度も運転免許の取得したことの無い人が運転をすること
・取り消し無免許運転
免許の取り消し処分を受けた後も運転をすること
・停止中無免許運転
免許の停止処分中に運転をすること
・免許外運転
一部の免許はあるが、運転しようとする車種に該当する免許を取得していない状態で運転すること
以上4つが主な無免許運転ですが、以下の状況も無免許運転に該当します。
・偽造免許や他人の免許で運転
・免許試験に合格後、免許証が交付される前の運転
・日本国内で無効な免許証での運転
相手が無免許の場合どんな対処をする?
交通事故の相手が無免許運転をしていた場合、示談交渉で有利になると考えられます。
無免許運転は違法行為であり、損害賠償の交渉では「無免許運転をしていた」という行為は重大な過失として受け止められるのです。
自賠責保険や対人賠償保険、対物賠償保険の場合は無免許運転でも有効です。
相手がこれらの保険に入っている場合は保険を利用して補償してもらうことができます。
支払われる金額は保険会社によって判断されます。
まれに、保険会社が不適切な判断をして支払う金額を減らすこともあるので注意が必要です。
納得できない点がある場合は法律の専門家に相談するようにしましょう。
ただし、相手が無免許運転であっても「被害者として損害賠償を請求する権利」を持っています。
自身に過失があった場合は、その点を保険会社に突き詰められることもあるということを知っておきましょう。
相手が未成年だったらどうする?
相手が未成年による無免許運転だった場合、親権者をはじめとした家族に示談交渉することになります。
自身に有利な内容で賠償に応じてもらえるよう対策を取りましょう。
未成年の場合、損害を賠償できるような資産を持っていないことがほとんどです。
保険だけで賠償できればよいのですが、足りないことも珍しくありません。
このとき「子供に支払いきれない部分は親に請求したい」と考える方もいるでしょう。
しかし、「損害賠償責任」は未成年であっても自身で負うものとされています。
民法では、12歳前後までは責任能力がないと規定しています。
しかし、自動車や二輪車を運転する年頃では、責任能力ありとみなされるでしょう。
それでも実際に未成年者が補償できない場合は、自動車損害賠償保護法では、親権者に運行供用責任が発生すると定められています。
主な例を次に紹介します。
・車の購入時に親が資金を援助した場合
・車を置く場所が親と共通している場合
・親も使っている場合
上記はあくまでも例であり、他にも親・兄・姉が未成年者に代わり補償しようとするケースは珍しくありません。
交通事故の相手が未成年者の場合、相手の保険会社や家族と交渉することとなります。
相手と示談交渉をする場合は保険の有無・支払い能力の有無・相手家族に交渉する余地の有無などを確かめることが大切です。
相手が無免許・未成年などの場合、理不尽な言いがかりをつけられたり、交渉がうまく進まないケースもあるかもしれません。
相手がどんなにヒートアップしても、落ち着いて状況をよく確認して、適切な対応をとることを心がけましょう。
「ややこしくなりそうだな」と思ったら、早めに弁護士など法律の専門家に相談することも大切です。