「交通事故証明書」とは? 保険金の支払いに必要な書類をチェック
バイクや車で事故を起こした時、保険会社に保険金を支払ってもらえるということを理解していても、どのように保険金を受け取るのか知らない方もいるかもしれません。
事故が起きたことを警察に報告することで、保険会社から保険金を払ってもらえるわけではありません。今回は事故が発生した後に行う「交通事故証明書」の発行や保険金を受け取るための基礎知識をお伝えします。流れやポイントを押さえておき、万が一の事態に備えましょう。
■交通事故証明書の発行について
交通事故証明書とは、事故が起きた事実を証明するための書類です。各都道府県に設置されている交通安全センターが発行してくれます。
交通事故証明書に記載される内容は以下の通りです。
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- ・事故の発生日時、発生場所
- ・被害者および加害者の氏名や住所、生年月日といった当事者のプロフィール
- ・所有している車両の車種や車両番号
- ・事故が発生した当時の当事者の状態(運転している、同乗者の有無など)
- ・相手の自賠責保険会社や証明書番号
li>・事故類型
※事故類型は大きく分けて【人対車両(歩行者×車)】【車両相互(自転車×車or車×車)】【単独事故(車1台のも)】の3つになります。
勘違いされがちですが、この交通事故証明書は「事故が起こった事実」を証明する役割の書類です。事故の原因や当該者同士の過失割合などを証明するものではありません。
過失の割合は通常、当事者が契約している保険会社の担当者同士が過去の裁判例を基に話し合った上で決まります。
また交通事故証明書を受け取ることができる方は、以下のように定められています。
- ・交通事故に関わった当事者(加害者および被害者)
- ・交通事故証明書の交付を受けることで正当な利益のある方(被害者および加害者の家族や保険の受取人など)
■「人身事故」と「物件事故」の違いについて
交通事故証明書において、人身事故と物件事故とを分類されています。人身事故は交通事故によって人が負傷もしくは死亡する事故のことです。一方物件事故は人が怪我や死亡することがないものの、物が壊れたケースを指します。
人身事故と物件事故では証明書自体が異なります。また申請期限についても「人身事故の場合は事故発生から5年」「物件事故の場合は3年」と定められています。
■「人身事故証明書入手不能理由書」というセーフティネット
人身事故証明書は、被害者が怪我したことを証明する書類です。保険会社に保険金を請求するためには、この書類を利用する必要があります。
言い換えれば、物件事故証明書だけでは自動車保険を利用することができません。もし被害者の方に後遺症が現れた場合は、病院で診断書をもらった後に再度警察に赴いて物件事故から人身事故に切り替える必要があります。
しかし一度当事者同士が合意の上で物損事故として事故を処理した場合は変更ができないこともあるので注意が必要です。切り替えができない場合は、保険会社から保険料を受け取ることができません。
そうした状況を避けるために「人身事故証明書入手不能理由書」という書類があります。
人身事故証明書入手不能理由書は、事故が生じた後に何らかの理由で警察に人身事故の届出をできなかった場合に作成しておく書類です。主に時間が経った後に怪我の症状が現れた場合に用いられます。
人身事故証明書入手不能理由書の内容は保険会社の担当者が記載してくれる場合がほとんどで、保険加入者は捺印するだけで書類を作成することができるのです。
また人身事故証明書入手不能理由書が適応されるのは、警察に物件事故として届出を提出している場合に限ります。
万が一事故の被害に遭ってしまった場合、身体に異常が見られなかったとしても人身事故証明書入手不能理由書を作成しておくほうが良いでしょう。
事故が生じた後に保険金を受け取れるかどうかは、あなたの人生を大きく左右する可能性もあるのです。今回紹介した書類内容などをあらかじめ理解しておき、事故が起きた際には手順に則って保険金を活用されてはいかがでしょうか。